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2009シンポジウム②

第2部①

 第2 部では離島でのお産に関わる方々から、お産現場
の現状と今後の展望について議論していただきました。
はじめに、問題を提起してくれたドキュメンタリー「そ
れでも私たちは産みたい~南の島の産声を守れ~」を観
賞し、母体死亡をきっかけに分娩施設がなくなった喜界
島、島内唯一のお産施設の「閉院宣言」から公立産科医
院を設立した種子島、産科医の不在をきっかけに助産師
主導のバースセンターの立ち上げ、その後熱意ある医師
が来てくれた徳之島の取り組みなどが紹介されました。

Photo_3

 種子島の田上病院麻酔科部長高山先生より、池田医院
の医師が閉院を決定したのは島民の安全を守るためだっ
たこと、池田医師の苦悩を近くで感じていたのに救って
あげられなかった者として、公立産科医院の開設にあた
る環境づくりに配慮したということでした。応援派遣を
月二回、地元の総合病院は緊急手術に対しては二十四時
間対応する体制をとり、小児科には週二回の定期健診、
帝王切開で産まれた新生児の対応、救急時の対応を依頼
など産科医師が孤立しないように配慮。これらは公立に
なったことで連携が取りやすくなり、病院間の風通しが
良くなったという事でした。公立種子島産科医院は
2008 年1 月に開院。初年度分娩数228 件(普通分娩
207 件、帝王切開21 件)、救急ヘリ搬送11 件であった。
また、公立産科医院の運営は各町からの持ち出しはある
が、産科医院が無くなることでお金は島外に出ていくこ
とや交通費、滞在費等の個人的負担の増加を考えれば、
医療経済学的に見ても種子島に産婦人科医院が存続した
意義(若者の流出を防ぐ、雇用の継続など)は計り知れ
なく大きいと話す。「住吉先生(現任)で終わったら困
るんです。種子島公立産科医院が評価されるのは住吉先
生の次が来たときかなと思っています。(高山先生)」Photo_4

 産科医が1 人である徳之島の伊里助産師からは、「徳之
島も分娩施設が1つに減り、忙しくなっている。伊藤医
師は頑張っているが、助産師三名のうち二人が春には出
産で休職をせざる得ない状況で、人手が足りずに助産師
として十分なケアができない。この状況をどうしたらい
いんだろう」と、切実な思いを打ち明けてくれました。
また、母子が離れず島内でお産ができるようにみんなで
願って日々仕事をしていると、話して下さいました。Photo_5
 

伊藤医師からは「救急搬送では1 人医師なので同乗す
ることができない。今いる妊婦さん、これから妊娠され
る方に元気な赤ちゃんを笑顔で抱っこしてもらいたいと
思って産科医をやっています。それぞれの家庭、ご主人
や周囲の方が理解してサポートしたりして、病院側だけ
でなく、みんなで『幸せなお産』が続けられるようになっ
ていくといいなと思う」と思いを語っていただきました。
Photo_6  

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