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こどもの便秘 

  便秘は誰にでも起こりうる症状なので,あまり重要なことだと思われないのですが、子ども特に新生児や乳児の便秘の中には手術が必要な病気も含まれています。また,特に原因がない普通の便秘であっても、治療をせずに長期間便秘を続けていると、次第に腸が拡張して便が一塊となり貯溜し,浣腸や下剤が効かなくなります。そのような子どもでは,絶えず失禁やパンツの汚染などがみられるようになり,治療に難渋することがあります。

 高度な便秘は,手術が必要な病気ではないかと考えて、検査が必要になることがあります。外科的に手術しなくてもよいと判断されれば、下剤や浣腸で排便をコントロールすることになります。しかし,慢性の高度な便秘はある種の悪循環に陥っているものもあり,まずその悪循環を断つことから治療をはじめる必要があります。

 小さな子どもの便秘で、手術が必要になる病気としては,ヒルシュスプルング病があります。これは,腸管の運動を支配する神経節細胞が先天的に欠如するために起こるものです。大部分は新生児期に症状が出現し,生まれてすぐに出るはずの胎便が数日間排泄されず、おなかが大きくふくれてミルクを嘔吐します。これは,神経節細胞が欠如した部分の腸管が普通の動きができず,腸閉塞になるためです。病気の範囲は,一般に肛門から近いところの大腸(直腸やS状結腸)ですが,ときには大腸だけでなく小腸にまで及びます。この場合は,一次的に人工肛門を造ります。以前は,開腹術(お腹を切る手術)で行っていましたが,最近は,お腹を切らずに肛門から結腸を引き出して行うか,腹腔鏡を使って手術するので,以前のような大きな手術痕は残さず治療できるようになりました。

 慢性の高度な便秘や,便失禁がみられるお子さんをお持ちの親御さんは,一度小児科や小児外科の先生に相談してください。   田原博幸 (鹿児島大学病院小児外科)

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