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こども救急箱

食物アレルギー:食事方法にも注意を 

  食物アレルギーは、乳児の有病率が5―10%に上るといわれます。アレルギーの発生には、腸の働きが関係していると考えられています。

 腸管粘膜の表面積は、大人でテニスコート一・五面ほどもあります。この粘膜面には腸管関連リンパ組織(GALT)と呼ばれる、ヒトで最大の免疫器官があります。この粘膜表面を、約五百種百兆個の細菌がコケのように覆っていて(腸内細菌叢(そう))、相互に勢力争いをしています。

 胃腸の消化機能が未熟な乳児は、食物の分解が不十分なまま腸の粘膜面に達していると考えられます。乳児は腸管透過性も高いので、分子が大きな食物も容易に吸収され、これが抗原として認識される「感作」が成立します。

 生体を抗原(異物)から守るのが免疫ですが、食物が異物として排除されてしまうのは困ります。厳重な仕組みの中にも「お目こぼし(免疫寛容)」が必要です。免疫で一番重要な働きをするリンパ球は、GALTで育成・教育されます。乳児期には、抗原や「お目こぼし」する物についての情報が盛んに教え込まれます。GALTで間違った教え込みが行われたり、腸内細菌叢が乱れたりしたときに食物アレルギーが発症すると考えられています。

 早食いや大食い、食事中の水分摂取は、消化機能を落とすため不用意な食物抗原の発生を招く恐れがあります。食事の時はゆっくりとよくかむことが大切です。さらに、食の乱れや清潔すぎる環境、抗菌薬・免疫抑制薬の使用も、GALTや腸内細菌叢に悪影響を及ぼすと考えられており、注意が必要です。   中園伸一 (枕崎こどもクリニック院長)
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