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こども救急箱

ムンプス難聴 

  おたふくかぜ難聴をご存じですか?

 A君は右耳の下が5cmぐらい腫れてきました。お母さんはおたふくかぜの友達がいたので、同じかなと思い小児科を受診しました。普通の診察の後、先生が耳のそばで指をこするテストをしましたが、左の方で何回やっても聞こえません。すぐに大きな病院の耳鼻科へ紹介され詳しい検査を受けた結果、おたふくかぜによる高度感音性難聴と診断されました。いくつかの薬や治療を試みましたが大きな効果はありませんでした。

 おたふくかぜは耳下腺がはれる子どもではありふれた病気のひとつです。合併症としては無菌性髄膜炎(約3%)や成人男性の睾丸炎(約25%)がよく知られています。おたふくかぜ難聴は多くの場合片側に、時に両側に起こり高度の聴力障害を永続的に残します。成人ではめまいや耳鳴りもしばしばともない、これらの障害も残るといわれています。以前は難聴の頻度は低いと考えられていましたが、最近の近畿外来小児科学研究グループの研究により約1000人に1人の発症とかなり頻度が高いことがわかりました。現代の医学でも難聴には治療や自然治癒がほとんど期待できません。

 おたふくかぜとその合併症や難聴にならないためには、ワクチンによる予防が唯一の手段です。直接おたふくかぜにかかると100人に3人は髄膜炎に、1000人に1人は難聴になり、成人男子の100人に25人は睾丸炎をおこします。おたふくかぜワクチンでも、まれですが数千人に1人無菌性髄膜炎が起こることがありますが、一般的に軽くで治るといわれています。ワクチンで睾丸炎や難聴はまずありません。おたふくかぜとその合併症や難聴を予防するため、おたふくかぜワクチンの接種をお勧めします。  南 武嗣(みなみクリニック)
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