ホーム

こども救急箱

細菌性髄膜炎:ワクチン接種が予防策 

  髄膜炎は、脳や脊髄とそれを覆っている髄膜とその下の脳脊髄液に病原体が感染しておきます。その中で、細菌が原因であるものを細菌性(または化膿性)髄膜炎といいます。多くの場合、血液の中に細菌が侵入し、その後脳脊髄液に至り発症します。一歳未満の乳児が全体の約半分、二歳以下の乳幼児が約八割を占めます。鹿児島県では年間十五―二十例の小児の患者が報告されており、死亡率3―5%、後遺症を残す子供も20―25%みられます。

 症状は発熱、頭痛、吐き気、けいれん、意識障害、元気がない、顔色が悪いなどですが、初期は発熱だけで普通のかぜと区別がつかないこともよくあります。特に乳幼児では症状がわかりにくく、初期には小児科医でも診断が困難です。病気の進行は早く、発熱から四十八時間以内で重篤な状態になることも多く注意が必要です。

 最終的な診断には、腰から脳脊髄液を採取し、検査をすることが必要です。原因菌としては、インフルエンザ菌b型(インフルエンザウイルスとは関係ありません)が最も多く六割を占め、ついで肺炎球菌が三割で、この二種類でほとんどを占めます。抗生物質の内服では効果がなく、入院して長期間抗菌薬の注射が必要となります。

 小児の細菌感染症のなかでも最も重篤なこの病気を予防する方法は、ワクチンしかありません。インフルエンザ菌b型に対するワクチン(ヒブワクチン)が四月から日本でも任意接種できるようになります。海外ではすでにほとんどの国で定期接種として安全に用いられており、インフルエンザ菌による髄膜炎は激減しています。今後日本でも普及させなければいけませんが、任意接種の費用の公的な援助、さらには国による定期接種化が強く望まれています。   亀之園明(田上病院) 
このページの先頭へ