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こども救急箱

溶連菌感染症:服薬は確実に 

  溶連菌感染症は、A群β溶血性連鎖球菌の感染による病気で、主にのど、ときに皮膚にも感染を起こします。感染はつばが飛んだりして口からうつる飛沫(ひまつ)感染です。三―九歳ぐらいの子どもに多く典型的なのどの症状が出現する病気ですが、〇歳児や大人でもかかります。

 溶連菌感染症は、咽頭・扁桃(へんとう)炎が現れるものが大半を占めます。強い発疹(はっしん)を伴うものは「しょう紅熱」と呼ばれ、現在では少なくなっています。潜伏期は二―五日です。溶連菌にはタイプが何十種類もあるうえ、一度かかっただけでは十分免疫ができないため、何回もかかることがあります。冬季と春から初夏にかけて感染が多いようです。

 症状は、のどの痛みが強く発熱や微熱があり、体や手足に発疹が出たりします。時に腹痛や吐き気、頭痛をもよおします。舌の表面がイチゴのように赤くプツプツ(苺状舌)となったり、首のリンパ節がはれたりします。回復期に指先の皮がむけることもあります。皮膚に感染をおこすと「とびひ」になったりします。まれに肛門(こうもん)炎や膣炎の合併もあります。

 のどの所見が特徴的なので、のどを見ればほぼ診断できます。お子さんの周囲の流行状況も参考になります。現在は五―十分程度で診断できる検査も普及し、九十%以上は診断可能です。溶連菌感染症は約二十五%の確率で家族にうつることもあるので、兄弟や両親に同様な症状があれば、受診した方がよいでしょう。

 治療には主にペニシリン系の抗菌薬がよく使われ、十日間続けて飲むことが必要です。症状は抗菌薬を飲み始めて一日二日でよくなりますが、途中でやめてしまうと再発したり、急性腎炎やリウマチ熱を起こすことがあります。これらの合併症を起こさないために、症状がなくなっても最後まで飲むことが大切です。   村上直樹(村上こどもクリニック) 

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