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こども救急箱

ぐったりした子ども 

 さっきまで元気に遊んでいた子どもが突然、「く」の字になりぐったりしている、顔色が悪く無口になった、食事やミルクを受け付けない、赤ちゃんの様子が普段と違ってぼーっとしている―。

 子どもが痛みなどをはっきり訴えなくても、何か大変なことが起こっているのではないかと感じることがあります。病院を受診すると、普段は怖がって泣く子がきょとんとしていたり、大嫌いな診察や採血で、おとなしくしているときも、少し心配になります。

 ぐったりしたら重症の病気を疑う必要があります。考えられる病気の1つに、腸が正常な消化活動ができなくなってしまう「絞扼(こうやく)性イレウス」があります。

 この病気は、腸がまるで風船アートを作るときのようにねじれたり、せばまったりして、血液の循環が悪くなり、数時間で腸が腐ってしまう病気です。

 痛みが激烈すぎて、泣いたりわめいたりすることもできず、子どもはぐったりした状態になります。腸が脱出し、おなかの中に戻らなくなるヘルニア嵌頓(かんとん)や飛び出した腸がねじれる腸捻転(ねんてん)、腸が腸の中に入り込んでしまう腸重積など、絞扼性イレウスはいろいろな原因で起こります。いずれにしても、この病気が疑われる場合は早急に手術が必要です。

 子どもがおなかを触らせない、歩かない、吐いた物が緑色をしているなど、普段接していれば異変に気づくとは思いますが、ぐったりしているだけでは、保育園や幼稚園、学校など集団に入ると目立たないかもしれません。

 前ぶれなくぐったりしているときは、「おかしいぞ」と考えてあげてください。「ぐったり」は子どもが発信する重要なサインです。   向井 基(鹿児島大学病院小児外科)

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