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こども救急箱

脳腫瘍 

 子どもの脳腫瘍(しゅよう)は、腫瘍の種類やできやすい場所が大人と異なり、症状の経過も違います。

 大人の場合は大脳にできることが多く、言葉がうまく出ない、手足がしびれて思うように動かない、といった外面的な症状があり、比較的発見されやすいといえます。

 それに対し、子どもの脳腫瘍は約6割が小脳(後頭部)や脳幹部(首と頭の境界部分)にできます。そのため脳と脊髄を覆う脳脊髄液が通過するときに障害を起こしやすく、頭蓋骨(ずがいこつ)に囲まれた脳が入っている部分の圧力(頭蓋内圧)が高くなり、頭痛・吐き気・嘔吐などの症状が現れます。

 しかし、頭蓋骨のつなぎ目が閉じ始める乳児期後半から幼児期初期までは、成長に伴って頭の周囲が大きくなるため、頭蓋内圧は緩和されます。そのため腫瘍ができても表面的な症状が出にくく、単にぐったりしたり、食欲が低下したり、不機嫌になるだけのことがあります。

 子どもの脳腫瘍は、できた部位によって特徴的な症状が現れることがあります。例えば小脳に腫瘍ができると、歩いているときにふらついたり、姿勢の維持がうまくいかなくなったりします。

 また脳幹部に生じた場合には、物が二重に見える、顔の半分の動きが悪くなる、ご飯を食べるときにむせる、などの症状がみられます。視床下部や下垂体(頭の奥深い部分)にできた脳腫瘍によるホルモン分泌異常で、身長の伸びが遅くなったり、二次性徴が早く始まったり、喉が渇いてたくさん水を飲むようになることもあります。

 子どものがんの中で、脳腫瘍は白血病についで2番目に多く、決して珍しくない病気です。小さな変調でも見逃さずに、かかりつけの小児科医に相談することが大切です。  西川拓朗(鹿児島大学病院小児科)

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