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こども救急箱

食べる力を育む②成長に合わせた支援を

食べる力は心身の発達とともに段階的に学習していくことを前回、話しました。体や心の発達に遅れがあったり、食べ方に問題のあるお子さんには、個々の状況に合った方法で、食べる力の発達を促す支援が必要になります。 

 食べ物を口からこぼしたり、口の奥のほうで取りこむ動きは、唇やあごの協調発達が遅れている場合にみられます。実際の支援は、食べものを唇でしっかりはさみ、こすり取る動きを介助しながら練習します。また一口で食べる量を調節し前歯でかみきる練習で、食べ物の硬さや大きさを自覚できるようにします。丸のみや口の中に食べものがまとまらず残るのは、奥歯を使ったすりつぶしや舌と口蓋(こうがい)による押しつぶしの動きが遅れている場合にみられます。奥歯での咀嚼(そしゃく)を促すため、指で左右のほおをさわって声かけするようにします。また、咀嚼途中に飲み物で流し込まないよう見守りましょう。食べる時の姿勢やテーブルの適切な高さへの配慮も大切です。

 自閉症など発達障害のお子さんは、偏食や拒食がみられることがあります。さらに重度の脳性まひや低体重出生などで、鼻からチューブを通して栄養を取り、生まれた後に長い間口から食べる経験のなかったお子さんは口から食べることを拒否したり、意欲がわかないことがあります。これらの行動に無理な対応を続けると、食事自体が嫌になってしまいます。

 食べ方への支援が必要なお子さんには、安全に食べる配慮や体の発達を促す栄養の確保が求められます。食べる意欲を引き出し、食べ方を通して五感が満たされるのを学び、生涯にわたり口の健康を保つことでおいしく食べられるよう、保護者や養育関係者が連携して見守り、支援することが大切です。

佐藤秀夫(鹿児島大学病院小児歯科)

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