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こども救急箱

食べる力を育む③

 おいしく食べるには、まず口の中を清潔にし、味がよく感じられるようにすることが大切です。歯だけでなく、舌や口蓋(こうがい)も清潔にしましょう。口の中は細菌が住みやすい環境なので、清掃を怠ると簡単に細菌が増えてしまいます。

 むし歯を放っておくと細菌の巣となり、口の中はますます汚れてしまいます。細菌がたくさん混じった唾液(だえき)が誤って気管に入ると、肺炎になる危険性があります。口臭の原因にもなるため、毎食後に丁寧な歯磨きの習慣をつけてください。

 赤ちゃんのころの口遊びや指しゃぶりの経験が足りないと、口を触られるのを嫌がることがあります。指を歯ぐきに当てるだけで体がのけぞる状態では、歯ブラシを口に入れることはとても大変です。まず、指の腹で歯ぐきをキュッキュッとこする練習をしてから、優しく歯磨きを始めます。毎日行うと次第に慣れてきて、歯磨きがしやすくなります。

 ぶくぶくうがいができない、水を含んでも口全体にうまく回せないお子さんは、食後に歯ぐきと唇や頬(ほお)の間に食べかすが残っていないか点検し、歯ブラシやスポンジブラシできれいにしましょう。うがいができる、できないで口内の清潔度も違うので、洗面所やお風呂場で練習しましょう。ラッパを吹いたり、にらめっこをしたり、遊びの中で口の運動を取り入れるといいでしょう。口の周りの筋肉が発達すると、食べる力も向上します。

 お口の状況は人によって異なります。適切な清掃方法を個別に相談したり、定期的に子ども専門の歯医者さんの健診を受けることをお勧めします。

佐藤秀夫(鹿児島大学病院小児歯科)

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