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こども救急箱

発達障害

 2005年4月に発達障害者支援法が施行され、最近は書店で発達障害に関する本を多く見かけるようになりました。しかし、障害に対する誤解や偏見はまだ完全には解消されていないように感じます。

 発達障害は「病気」とは違います。得意なところもあるけれど、極端に苦手なところもあるという、生まれつき発達の偏りがあることを言います。その偏りのために、育ちにくさ、育てにくさがあり、集団への適応が難しいという場合に障害と診断されます。親のしつけや家庭環境のせいではなく、脳の機能的な障害が原因とされています。

 発達障害には自閉症、注意欠如・多動性障害、学習障害、知的障害などが含まれます。以前はまれと思われていましたが、実際はもっと多いと最近では考えられるようになってきました。例えば自閉症は数千人に1人と言われていました。現在では障害の程度が重い子から、障害があると分かりにくい程度の軽い子まで、幅広く存在すると理解されています。これを「自閉症スペクトラム障害」と呼びますが100人に1人という報告もあります。

 症状によって薬による治療を行うこともありますが、基本的には、子ども一人一人に応じた治療的教育(療育)とその子に対する周囲の理解が重要です。ストレスに弱く、不安が強い子どもたちが多いため、集団生活の中で周囲の理解が得られないと、問題行動を起こしたり不登校になったりという二次障害を起こすことがあります。

 発達障害の子どもたちは秀でた才能を持っていることもありますし、苦手なところも大きく伸びる可能性を秘めています。適切な療育と社会的理解を得ることで、二次障害を予防し、子どもたちが輝いて豊かな人生を送ってほしいと願います。

塗木雄一朗(県立北薩病院小児科)

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